風信木のひげ

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2012年 11月 25日

パン祭りを終えて・・・

残念ながら雨になってしまったパン祭り。

私たち世田谷区以外のパン屋は体育館の中だったので、特に影響なく、多くのお客様との出会いがありました。
持って行ったパンが多かったので、最終的にはかなり余ってしまいましたが、イベントならではの、何が起こるかわからない、どんな出会いが待っているかわからないワクワク感を満喫。
帰り道は、精いっぱいやったあとの充足感で満たされていました。

9月のパンフェスと今回のパン祭り、続けて2回の出店では本当に多くのことを感じ、考えさせられました・・・

まもなく創業30年を迎えますが、ちょうどこの時期に二つのパンのイベントに参加する流れになったのも、何か意味があるのでしょうね。

今まで参加してきた沢山のお祭りやフェス、マーケットでの楽しい思い出や出会いが甦ってきます。
出店者も来場者も、人や物との一期一会の出会いが楽しくて集まって来るんですね~

30年前はパン屋の出店だけのフェスが催されるなんて想像もできませんでした。

安全な食品や農産物のお祭りなどが盛んになり始め、その中に数件の天然酵母パンやが出店している感じでした。

あの頃、国産小麦、天然酵母を謳って、多くの人にその価値を広めてきたパン屋としては、30年経った今、二つの、パンだけのイベントに参加して、驚いたり危惧したり・・・
複雑な思いをしたことを正直に告白した方がいいですね。

他のパン屋さんの商品を批判するのはどうかと思うのですが、どうしても気になってしまいますし、やはりはっきりさせておいた方がいいと思うのです。

それは、多くの生焼けのパンが販売されているということです。
(国産小麦、自家製酵母のパン屋さんの商品をいくつか購入して試食しての感想です。)

焼きが足りないために中心まで火が通ってなくて、澱粉がしっかりとアルファー化していないものが殆どでした。
そういうパンを食べると、国産小麦であろうと、必ず胃にもたれて消化不良を起こします。
ヨーロッパタイプのカンパーニュなどのパンを焼くなら、焼き方はあくまでもヨーロッパ流に、中までしっかり火を通して少々の皮の焦げなど気にしないで欲しいものです。

よくモチモチしたパンでおいしい、と言いますが、モチモチという表現は、ヨーロッパではまずいパンに使うようです。
しかし、モチモチをおいしいと感じるのは日本人なら普通なので、そういうおいしさを味わいたいときは蒸パンとか、あるいは酒だねのあんパンがありますしね。

ちなみに国産小麦の発酵力は弱すぎてパンには適してないそうです!
友人のパン屋が、ベルギーのリマのパン工場に小麦を持って行って調べてもらったら、「オレたちはこんな小麦ではパンは焼かない」と言われたとか・・・

それでも味がおいしい国産小麦でしっかりしたパンを焼きたいときは、レーズン酵母の力を借りれば、木のひげのカンパーニュのようなパンを焼くことはできます。

但し、生易しくはなく、ある意味無謀な挑戦?であるかもしれません。
   (長年そばで見続けてきた者の感想です。)
   (あるいはコゲすぎ!とのお客様のクレームに対応し続けてきた者の感想です。)

しかし、条件が整ってなくても、乗り越えてこその技術です。
妥協はあり得ません。

国産小麦、自家製酵母のパン屋が広まるといいな~と思って、レーズン酵母の作り方を本に提供したり、多くの方の相談を受けたりしてきましたが、生焼けのパンを販売するパン屋さんを増やしてしまうことになろうとは予想もしませんでした。

そして、それらのパン屋さんが情報によってもてはやされて人気を呼んでいる現状・・・
本当に残念です。



しかし・・・

お客様の中には、本当に「そこ」がわかっている方が、います!

今回もそんな方々に出会いました。

木のひげを知っている方も多かったですが、初めてなのに何かを感じて、パッと選んでくれる方。

理屈の時代は終わったんだな~とつくづく感じます。


投げたボールをしっかり受け止めて頂けるようなお客様とのつながりが、希少なだけにありがたく嬉しい時代です。


                                                  M.M記
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by kinohige-hushin | 2012-11-25 02:10


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